ところが光雲先生は、別れに毎回傷つきながらも、相手に対して最後と思って愛そうとされているそうです。
性格の違いの一言かも知れませんが、同じ会者定離の境涯にありながら、受け止めが真逆で軽くショックを受けました。
自分は自分の心が傷つきたくないことばかり考えているなあ…と。
そんなことをぼんやり考えながら、夕方愛犬の散歩に家を出ました。うちはすぐ近くに小学校があるのですが、校門を出たところで、見知らぬ小学生の男の子が一人「こんにちは!犬を触っていいですか?」とあいさつをして近づいてきました。
しばらく犬の体を撫ででもらい、1分もかからないような出会いと別れでしたが、屈託のない彼の姿に何とも言えない気持ちになり、お念仏せずにおれませんでした。
避けられない別れは辛いものですが、別離の辛さばかり見るよりも、今のご縁を大切にすることを考えた方がいいですね。
そして、ともに仏法を聞き、阿弥陀仏の強いご縁によってお念仏させて頂く身となれば、この世では別離をすることがあっても、再会をさせて頂くことができるのですから。
「別れゆく みちははるかにへだつとも こころは同じ 花のうてなぞ」
お別れを嘆かれる親鸞聖人に法然上人が詠まれたお歌とお聞きします。